妖虫

相川珠子は東京で一ニを競う美貌の持ち主、その兄は探偵好きの大学生だった。
その平和な家庭に突然、災いが降りかかる。
大女優春川月子を惨殺した「赤いサソリ」が、魔の手を珠子に伸ばしてきたのだ。
神出鬼没の殺人鬼に対する名探偵三笠竜介は再三、苦汁を呑まされる。
果たして、最後に笑う者はどちらか?挿絵・岩田専太郎、小林秀恒片山里の湖畔に旅装を解いてはみたものの、刺戟のなさから女湯の覗き見を始めた男。
凝った仕掛けのレンズを通して無聊を慰めてみるが、或る夜を境に屈託の虜となる。
女の背中を窺う短刀の一閃―――我が目に映ったものは犯行現場か、妄執のなせる業か?!傑作「湖畔亭事件」に初の新聞連載「一寸法師」を併載。
挿絵・名越國三郎、柴田春光東に人の弱みを探してゆすり、西でネタを拾って小説を書き、南に薄倖の少女を救い、北では美女を侍らせての豪遊……やることなすこと図に当たり意気揚々の影男。
しかし殺人請負会社に関わったことから前途は一天俄かに掻き曇り、刺客に狙われる破目に。
悪党が鎬を削る活劇に快刀乱麻の腕の冴えを見せるは、ご存じ名探偵!挿絵・戸上英介『日本探偵小説全集2江戸川乱歩集』『D坂の殺人事件』につづく乱歩の短編集成。
大正十二年七月から十四年七月にかけて発表された十編「一枚の切符」「恐ろしき錯誤」「双生児」「男手組」「日記帳」「算盤が恋を語る話」「幽霊」「盗難」「指輪」「夢遊病者の死」を収録、執筆活動の最初期を知る一冊となっている。
挿絵・松野一夫、斎藤五百枝ほか。
『算盤が恋を語る話』につづいて、大正十四年七月から十五年十月にかけて発表された十編「百面相役者」「一人二役」「疑惑」「接吻」「踊る一寸法師」「覆面の舞踏者」「灰神楽」「モノグラム」「人でなしの恋」「木馬は廻る」を収録、短編作家時代の棹尾を飾る作品集である。
挿絵・斎藤五百枝、松野一夫、椛島勝一、伊藤幾久造、名越國三郎ほか。
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